研究内容

オプトエレクトロニクスデバイス・システム・センサの作製と応用

電流調整型デジタルホログラフィ用フィルタの開発

位相シフトデジタルホログラフィでは、位相差像を利用して物体の形状を測定することが可能である。物体光の波長を変化させ、2通りのデジタルホログラムを取得後、その位相差を取ることで物体の形状計測を行う。しかし、得られる位相差像にはスペックルノイズなどが重畳し、そのままでは表面形状の計測は困難である。そのため、表面形状計測を行うにあたって、フィルタ処理を施すことによるスペックルノイズの除去は必要不可欠となっている。しかし、ノイズ除去にはかなりの回数の処理を行う必要があり、従来用いられているフィルタは繰り返し施すことで、物体像のエッジ部分が鈍り、測定に影響が出てしまう。そこで、本研究では、形状維持性能の向上とノイズの除去を両立できる新しいフィルタの開発を目指す。

デジタルホログラフィ用アンラッピング法の開発

位相シフトデジタルホログラフィでは、位相像の差を利用して物体の形状を測定することが可能である。デジタルホログラフィにおける形状計測において、通常の干渉計測と同様に位相とびが発生する。これを位相がラップされるという。二波長法により設定される等高線の幅(ラップされない高さの上限値)を、測定対象の物体形状(凹凸)の高さが超えてしまう場合に位相飛びが発生し、そのままでは対象の正確な形状が得られない。そこで、アンラッピング(位相接続)という操作を行う必要がある。ところが、位相差像にはスペックルノイズが存在しアンラッピングがエラーとなるため、ノイズがあってもエラーが生じないアンラッピングの開発を目的とする。。

スペックル法による紙面評価

インクジェットプリンターを用いた高品質な印刷には専用紙が用いられます。実際に印刷せずに、その専用紙の印刷・印字性能の評価ができれば、設計や製法に大きく寄与することができるので、印刷以外の方法による紙面の評価が期待されています。印字性能は素材の他に表面状態に依存しますが、紙の表面は拡散面であり脆弱であるため、干渉法や触針法などでの評価は困難です。そこで、紙の表面状態の評価方法としてスペックルパターンを用いる。スペックルとは、コヒーレント(波動が互いに干渉しあう性質を持つ)であるレーザ光を拡散反射面に当てた際に生じる斑点状のものであり、この模様をスペックルパターンと呼びます。対象となる紙の表面にレーザ光を当て、生じたスペックルパターンをカメラで記録し、紙の種類による計算結果に違いや傾向を評価する。